MDRT・COT・TOTとは
MDRT(Million Dollar Round Table)は、生命保険・金融サービスの営業職のための国際的な会員組織です。1927年に米国で設立され、年間の営業実績が一定の基準を超えた人だけが、その年の会員として登録されます。日本の保険営業の世界では「MDRT会員」が実績の目安として広く使われています。
COT(Court of the Table)とTOT(Top of the Table)は、MDRTの中の上位資格です。COTはMDRT基準の3倍、TOTはMDRT基準の6倍の実績で認定されます。つまり、MDRT・COT・TOTは別々の制度ではなく、同じ物差しの1倍・3倍・6倍です。
| 資格 | 正式名称 | 必要な実績 |
|---|---|---|
| MDRT | Million Dollar Round Table | 基準額の1倍 |
| COT | Court of the Table | 基準額の3倍 |
| TOT | Top of the Table | 基準額の6倍 |
入会基準はどう決まるか
MDRTの入会基準は、国・地域ごとに毎年改定されます。日本の基準額は、為替や所得水準を反映して見直されるため、本記事では具体的な金額を書きません。当年の基準額は、必ずMDRT日本会の公式サイトで確認してください。
基準の測り方には3つの方式があり、いずれか1つを満たせば入会できます。
- 手数料方式:年間に受け取った初年度手数料などの合計で測る方式。乗合代理店の募集人が使うことが多い。
- 保険料方式:年間に成立させた契約の保険料合計で測る方式。基準額は手数料方式より大きい。
- 収入方式:保険・金融サービスから得た年収で測る方式。手数料方式より基準額が大きい。
どの方式でも、COTはその3倍、TOTはその6倍です。実績の一定割合は生命保険などの対象商品からのものである必要があり、対象となる商品や期間の数え方にも細かい規定があります。申請の際は、所属先の実績証明が必要になるのが一般的です。
TOT・COTの「年収」はいくらか
「TOT 年収」で検索する方が多いのですが、MDRTの基準は年収ではなく営業実績です。手数料方式なら「年間に受け取った手数料の合計」であって、本人の手取りではありません。ここを混同すると、達成者の生活水準を大きく見誤ります。
目安を知りたい場合は、次のように考えてください。手数料方式のMDRT基準額をXとすると、COTは3X、TOTは6Xの手数料収入です。保険会社の営業職員であれば、その手数料収入がおおむねそのまま給与の計算基礎になります。乗合代理店の募集人であれば、6Xのうち本人に支払われるのは手数料還元率(支給率)をかけた分だけで、そこから固定控除や経費を引いた額が手取りです。
現場の会員が申告した手数料支給率の分布は、相場レポートで公開しています。還元率は代理店によって50%台から90%以上まで幅があるため、同じTOTでも手取りは代理店で1.5倍以上変わります。
手数料支給率の相場を見る手数料収入と手取りは別物
乗合代理店でフルコミッションの募集人の場合、手数料収入と手取りの間には、少なくとも次の3つが挟まります。
- 手数料還元率:保険会社から代理店に入った手数料のうち、本人に支払われる割合。代理店選びで最も差が出る数字です。
- 固定控除:事務所・システム・事務の費用として毎月差し引かれる固定費。成果がゼロの月も発生します。
- 社会保険と経費:社会保険が自己負担の代理店では、その分も手取りから引かれます。交通費・交際費・資料代も自己負担のことが多い。
逆に言えば、保有契約が積み上がった募集人には継続手数料が入り、これが収入の土台になります。TOTを続けている人の多くは、新規だけでなく保有からの継続手数料と紹介の輪で数字を作っています。
達成者が代理店選びで見ている条件
ツナグンキャリアに寄せられた口コミと、当社のキャリア面談の記録から見ると、実績の高い募集人が代理店を選ぶときに見ている条件は、おおむね次の5つに集約されます。
- 1手数料還元率と、その条件。率そのものだけでなく、「何件以上で」「保有がいくら以上で」上がる仕組みか。査定で下がる条件も含めて確認します。
- 2固定控除の重さ。月の固定費が軽いほど、波のある月の負担が小さい。プランによって金額が変わる代理店は、どのプランが適用されるかまで確認します。
- 3保全と事務の分担。契約後の手続きや保全を事務が担うか、本人が担うか。保有が増えるほどこの差が効いてきます。
- 4出社義務と行動の自由度。直行直帰ができるか、朝礼や報告の縛りがどの程度か。法人や富裕層を主戦場にする人ほど自由度を重視します。
- 5移籍時の保有契約の扱い。いまの保有契約の継続手数料を持っていけるか。ここは代理店どうしの契約と保険会社の規定で決まるため、口頭ではなく書面で確認します。
これらの項目は、代理店ごとの口コミページで「報酬制度」「バックオフィス」「活動の自由度」などの★評価と、会員が申告した支給率・固定控除として確認できます。
代理店を手数料支給率で比較する達成までの現実的な道筋
MDRTからCOT、TOTへは、単純に「3倍働く」「6倍働く」で届く距離ではありません。実績の高い募集人に共通するのは、件数を増やす段階から、単価と継続を増やす段階へ切り替えていることです。具体的には、法人・相続・資産運用といった単価の大きい領域へ主戦場を移すこと、保有契約からの紹介で新規の大半を作ること、そして保全を仕組み化して自分の時間を提案に集中させることです。
そのためには、自分がいま「基盤を作る段階」なのか「基盤の上で伸ばす段階」なのかを見極め、それに合った代理店と報酬制度を選ぶ必要があります。基盤が薄いうちに高還元のフルコミッションに移ると、還元率は高くても手取りが増えないことが多いからです。
よくある質問
- Q. MDRTの入会基準は毎年変わりますか?
- 変わります。基準額は国・地域ごとに毎年見直され、為替や所得水準を反映して改定されます。日本の当年の基準額は、MDRT日本会の公式サイトで必ず確認してください。本記事では、年によって古くなる具体額ではなく、基準の決まり方と、COT・TOTとの関係(3倍・6倍)を説明しています。
- Q. COTとTOTの違いは何ですか?
- どちらもMDRTの上位資格で、COT(Court of the Table)はMDRT基準の3倍、TOT(Top of the Table)はMDRT基準の6倍の実績が必要です。基準の測り方(手数料・保険料・収入)は共通で、倍率だけが違います。
- Q. TOTを達成すると年収はいくらになりますか?
- TOTの基準は「年収」ではなく、手数料や保険料で測った営業実績です。手取りは、その手数料のうち何%が本人に支払われるか(手数料還元率)と、毎月の固定控除や経費で大きく変わります。同じTOTでも、還元率60%の代理店と90%の代理店では手取りが1.5倍違います。
- Q. 代理店を移籍すると、MDRTの資格はどうなりますか?
- MDRTの会員資格は個人に帰属し、所属先が変わっても実績の扱いが変わるわけではありません。ただし、申請に必要な実績証明は所属先の協力が必要になるため、移籍のタイミングと申請時期の関係は事前に確認しておくと安心です。
- Q. 保険会社の営業職員と乗合代理店では、どちらが達成しやすいですか?
- 一概には言えません。保険会社の営業職員は商品が1社に限られる一方で、研修やリーズ(見込み客の紹介)が手厚い場合があります。乗合代理店は複数社の商品を扱えて手数料還元率も高めですが、見込み客の開拓から保全までを自分で回す比重が大きくなります。自分の基盤(保有契約と紹介の輪)の厚さで向き不向きが変わります。
あわせて活用する
※ MDRT・COT・TOTの入会基準や規定は、MDRT本部および各国会が定めるものであり、年ごとに改定されます。本記事は制度の考え方を一般的に説明するもので、当年の基準額や申請要件は必ず公式サイトでご確認ください。特定の代理店・保険会社への転職や移籍、年収の達成を推奨・保証するものではありません。
